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パーム油:野生生物のすみかを守るためには何をしたらよい?

前回、パーム油について、そのパーム油を生産するために奪われるゾウやオランウータンなどの野生生物について、そしてそのパーム油を消費している私たちの責任について書きました。


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インドネシア視察に行った時の写真。右がアブラヤシ農園に変わってしまった場所、左は熱帯雨林。サルたちは、アブラヤシ農園を訪れることはあるようですが、住んでいるのは左の熱帯雨林なんだそう。



これが、象牙であれば「象牙を買わない」ですむところ、ありとあらゆるものに使われるパーム油。

どうしたらいいのでしょう?

大きなレベルでは、国際的に、みんなでそういう事態を招かないパーム油を生産しようという取り組みはあります。

「持続可能なパーム油」の生産と利用を促進する、「持続可能なパーム油のための円卓会議」(RSPO:Roundtable on Sustainable Palm Oil)。

「誰がそんなことをしているの?」と言いますと、パーム油に関わっている業界、アブラヤシ農園の開発にお金を出す銀行や投資会社、そんな一連の動きを監視するNGO、などです。

世界のパーム油生産者の40%がこのRSPOに参加していると言われています。


具体的には、8つの原則を決め、それに基づいて43項目の基準を設け、この基準を満たすパーム油を、「RSPO認証パーム油」とすることができるという仕組みです。

ただし、オーガニック認証などとは違い、最終商品ではわかりづらいことも多いのが現状。

またこの基準について、森林破壊を止め切れていないなどいろいろと議論はあります。



一般消費者として、何ができるか?

パーム油の場合はあらゆるものに使われているので避けることはなかなか難しいですが、日常生活のレベルでは、やはり、大量生産・大量消費・低価格、のサイクルに No という必要があるかもしれません。

そして、無駄なものを買わない、ということ。

パーム油は加工食品に使われるので少し違いますが、例えば世界の食用作物のうち30-40%もが食べられずに廃棄されているという数字があります。


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これはこれで、一つの温暖化防止の阻害要因として問題視されていて、2030年までに食品の無駄を半分に減らすという Champion 12.3 という取り組みが最近生まれています。



大量に、安く、消費者に提供するために犠牲になるのはその他の大切なこと。

それは森林であり、野生生物の生息地であり、食へのありがたみでもあるかもしれません。

問題が大きいと、「何もできないから何もしない」となってしまいがちですが、知識と行動をつなぐことさえできれば、何でもできるのだろうと思います。

ただそれが、残念なことに特に日本では、あまりTVなどのメディアでは報道されません。

お土産の好きな日本人の私たち。

軽い気持ちで買っているお菓子のお土産、大丈夫かな?

そして相手は本当に、それを必要としているでしょうか?

そんな小さな行動から、見直してみるのはどうでしょう?


参考サイト:

http://www.wwf.or.jp/activities/resource/cat1305/rsportrs/

http://www.greenpeace.org/international/en/publications/Campaign-reports/Forests-Reports/Certifying-Destruction/

http://www.theguardian.com/environment/2016/apr/07/reducing-food-waste-would-mitigate-climate-change-study-shows

http://www.theguardian.com/sustainable-business/2016/jan/21/tesco-ceo-davos-food-waste-campaign-sustainable-development-goals-climate-change

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