ゾウの密猟
今、私が気になっていることの一つが、ゾウの密猟と個体数です。
↑ 「アフリカと神戸俊平の会」の、神戸俊平氏のFB写真より。
生息地の圧倒的な減少と、密猟による殺戮で、20世紀初頭には3-5百万頭も推測されるアフリカゾウは、(WWFによると)今、47万頭までに減っていると推定されています。
人間による密猟は、なんと個体数の8%にのぼるという数値があり、1日96頭ものゾウが殺されているのです。
このままいくと確実に絶滅してしまうでしょう。
AVAAZ上の署名を求めるサイトより
私がイギリスのNGOに入って一番最初に担当した仕事が、ゾウの保護キャンペーン。
というと、アフリカに行ってサバンナをジープで移動、というようなことを想像されがちですが...
そちらではなく、「あるもの」を持っているが故に殺されてしまうゾウを保護するには、その「あるもの」への需要をなくそう、という活動。
国際会議や各国の方針について研究し、意見を述べるという仕事と、その「あるもの」がどのくらい市場に出ていて規制がきちんと行われているか、を調査するという仕事でした。
その「あるもの」とは、象牙。ゾウにとっては地下水を掘ったり移動中のしげみを除去するのに絶対必要な牙です。
「象牙と言えば昔はお箸とかハンコがあったね」という日本人は多いのですが、今でも日本で販売されています。
「象牙は禁止になったのではなかったの?!」という方もこれまた多いのですが、禁止になっていません。
今度、ハンコを買う時に「ちなみに象牙はありますか?」と聞いてみてください。
あります。
でも、国際条約ではゾウや象牙の貿易は禁止されています。
国際条約の方から見ていくと、「絶滅の恐れのある動植物の種の国際取引に関する条約」というものがあります。
日本では、ワシントン条約という名前でよく知られます。
英語では正式名称 Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora の頭文字を取り、CITES と呼ばれます。
この条約で、1989年、ゾウは取引が禁止されている「付属書I」に入りました。
仕組みとしてこの条約では基本、ゾウであればその「部分」や「派生物」も対象となります。
なので、トロフィーハンティングでよくあるゾウの足(装飾的なスツールにされます)や、この象牙も、取引は禁止されています。
なのにどうしてヤフオクで象牙を売ることができるのか、というと、日本政府は象牙の国内市場を禁止にしていないからです。
許可されて入ってきたときの「在庫」であれば合法、としています。
象牙の大手市場と言えば、90年代ごろまでは日本がナンバーワン、現在は中国ですが、日本の他、アメリカやベトナムなど東南アジア諸国でも、まだまだ市場があります。
アメリカではオバマ大統領が2014年2月に国内での象牙の売買を完全に禁止すると発表。
そしてオバマ大統領は中国政府にも働きかけ、昨年、ついに中国も将来的に禁止の方向で措置を取るということを共同発表しました。
実際には米国でもまだ禁止措置がスムーズに導入されないようですが、こうしたことに強いコミットメントを示してくれるリーダー、うらやましい限りです。
ちなみにオバマ大統領は歴代の大統領の中で一番、保護地区をたくさん指定したそう。
(とは言えそのうち、あの不思議な髪型をした人が大統領になってしまうのでしょうか...)
そして我が日本では、そのような動きは全く見られません。
「美しいニッポン」「おもてなしの国」であるはずの国なのに(これはもちろん皮肉です)。
なぜ象牙のことが気になるかと言えば、これは、明らかに人間の必要最低限の欲求とは関係のないコモディティーだからです。
象牙がなくても人間はまったく困りませんが、象牙を取るためには殺されなければならないゾウは、生きていけません。
それでも、「業界配慮」というのはそんなに重要なのでしょうか?
アフリカでの密猟は、日本や中国の市場が支えている、このことを、知らない人が多すぎると思います。
Say No to ivory.
「じゃあ何をしたらよいの?」という方、ハンコ屋さんに行って「まだ象牙なんて売ってたんですか?ゾウって絶滅が心配されていますよね?」というようなリアクションをするだけでも、象牙を売ることは好印象ではない、という地道なメッセージを送ることはできます。
実は消費者の力が一番パワフルなのです。
そういう時間がない方は、こちらの署名があります:https://secure.avaaz.org/jp/yahoo_ivory_loc_/?pv=272&rc=fb
身近にできること、意外にあります。
(自分のメモ用)参考サイト:
https://www.cites.org/eng/resources/publications.php
http://wwf.panda.org/what_we_do/endangered_species/elephants/african_elephants/
http://www.awf.org/wildlife-conservation/elephant
http://www.livescience.com/54075-doodling-your-password-safer-than-text-on-mobile-video.html
http://www.onearth.org/earthwire/ivory-ban-new-york
↑ 「アフリカと神戸俊平の会」の、神戸俊平氏のFB写真より。
生息地の圧倒的な減少と、密猟による殺戮で、20世紀初頭には3-5百万頭も推測されるアフリカゾウは、(WWFによると)今、47万頭までに減っていると推定されています。
人間による密猟は、なんと個体数の8%にのぼるという数値があり、1日96頭ものゾウが殺されているのです。
このままいくと確実に絶滅してしまうでしょう。
AVAAZ上の署名を求めるサイトより
私がイギリスのNGOに入って一番最初に担当した仕事が、ゾウの保護キャンペーン。
というと、アフリカに行ってサバンナをジープで移動、というようなことを想像されがちですが...
そちらではなく、「あるもの」を持っているが故に殺されてしまうゾウを保護するには、その「あるもの」への需要をなくそう、という活動。
国際会議や各国の方針について研究し、意見を述べるという仕事と、その「あるもの」がどのくらい市場に出ていて規制がきちんと行われているか、を調査するという仕事でした。
その「あるもの」とは、象牙。ゾウにとっては地下水を掘ったり移動中のしげみを除去するのに絶対必要な牙です。
「象牙と言えば昔はお箸とかハンコがあったね」という日本人は多いのですが、今でも日本で販売されています。
「象牙は禁止になったのではなかったの?!」という方もこれまた多いのですが、禁止になっていません。
今度、ハンコを買う時に「ちなみに象牙はありますか?」と聞いてみてください。
あります。
でも、国際条約ではゾウや象牙の貿易は禁止されています。
国際条約の方から見ていくと、「絶滅の恐れのある動植物の種の国際取引に関する条約」というものがあります。
日本では、ワシントン条約という名前でよく知られます。
英語では正式名称 Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora の頭文字を取り、CITES と呼ばれます。
この条約で、1989年、ゾウは取引が禁止されている「付属書I」に入りました。
仕組みとしてこの条約では基本、ゾウであればその「部分」や「派生物」も対象となります。
なので、トロフィーハンティングでよくあるゾウの足(装飾的なスツールにされます)や、この象牙も、取引は禁止されています。
なのにどうしてヤフオクで象牙を売ることができるのか、というと、日本政府は象牙の国内市場を禁止にしていないからです。
許可されて入ってきたときの「在庫」であれば合法、としています。
象牙の大手市場と言えば、90年代ごろまでは日本がナンバーワン、現在は中国ですが、日本の他、アメリカやベトナムなど東南アジア諸国でも、まだまだ市場があります。
アメリカではオバマ大統領が2014年2月に国内での象牙の売買を完全に禁止すると発表。
そしてオバマ大統領は中国政府にも働きかけ、昨年、ついに中国も将来的に禁止の方向で措置を取るということを共同発表しました。
実際には米国でもまだ禁止措置がスムーズに導入されないようですが、こうしたことに強いコミットメントを示してくれるリーダー、うらやましい限りです。
ちなみにオバマ大統領は歴代の大統領の中で一番、保護地区をたくさん指定したそう。
(とは言えそのうち、あの不思議な髪型をした人が大統領になってしまうのでしょうか...)
そして我が日本では、そのような動きは全く見られません。
「美しいニッポン」「おもてなしの国」であるはずの国なのに(これはもちろん皮肉です)。
なぜ象牙のことが気になるかと言えば、これは、明らかに人間の必要最低限の欲求とは関係のないコモディティーだからです。
象牙がなくても人間はまったく困りませんが、象牙を取るためには殺されなければならないゾウは、生きていけません。
それでも、「業界配慮」というのはそんなに重要なのでしょうか?
アフリカでの密猟は、日本や中国の市場が支えている、このことを、知らない人が多すぎると思います。
Say No to ivory.
「じゃあ何をしたらよいの?」という方、ハンコ屋さんに行って「まだ象牙なんて売ってたんですか?ゾウって絶滅が心配されていますよね?」というようなリアクションをするだけでも、象牙を売ることは好印象ではない、という地道なメッセージを送ることはできます。
実は消費者の力が一番パワフルなのです。
そういう時間がない方は、こちらの署名があります:https://secure.avaaz.org/jp/yahoo_ivory_loc_/?pv=272&rc=fb
身近にできること、意外にあります。
(自分のメモ用)参考サイト:
https://www.cites.org/eng/resources/publications.php
http://wwf.panda.org/what_we_do/endangered_species/elephants/african_elephants/
http://www.awf.org/wildlife-conservation/elephant
http://www.livescience.com/54075-doodling-your-password-safer-than-text-on-mobile-video.html
http://www.onearth.org/earthwire/ivory-ban-new-york
2016-03-20 09:20