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グリーンな経済

今日は少しポジティブに、大きな視点から。

このブログを仕切り直す前に書いていた記事ですが、少し編集しました。


今の人間の住む地球を見渡してみると、本当にこの先もこんな風に人類は存続していけるのかな?という素朴な疑問がわく人は多いのではないかと思います。

でも一方で、ちゃんとこの地球を「大切に」していけば、今は70億の地球の人口が、今世紀終わりまでに100億になったとしても、まだまだ人類は続いていけるんだ、という説も存在しています。



今の世界の問題を整理する見方のひとつは「グリーン経済」(2) という新しい国連のイニシアティブに反映されていて...

環境問題と、貧困・社会的不公平などの社会問題を両立するような経済の仕組みを作りましょう、という見方です。

これは、ある特定の分野で環境や社会の問題を解決するという、経済活動に合わせた環境保全や社会問題の解決から、環境や社会問題の解決に合わせた経済のスタイルを構築すべし、ということです。

具体的にはと言えば、例えば、代替エネルギーへの投資を促進し雇用も促進する、ということが挙げられています。

また例えばEUでは、inclusive economy ということをしきりに提唱しており、社会的弱者やマイノリティー、途上国の人々もマーケットに含め互いにサポートする(と言えば聞こえはよいですが)ことを方針に掲げています。


自然保護に根差した考え方としては、「生物多様性の主流化」などもあります。


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「主流化」とは、読んで字のごとく。

生物多様性というコンセプトが、誰でも知っているものになり、ひいてはどんな場面でも考えられ、ありとあらゆる場面においての判断材料になることです。

この生物多様性の主流化は、2010年に名古屋で行われた生物多様性条約の締約国会議(COP10)で採択された、これから生きものを守るために掲げた目標「愛知ターゲット」に含まれていた戦略目標のひとつ(3)。

さて、そうするには、どうしたらよいのか?

政策レベルでは、すでにそれぞれの国において生物多様性を行動計画などに組み込む、ということが始まっています。

ビジネスレベルでは、例えばセクター毎のガイドラインや自己規範などの作成は、これ以前から徐々に進んできています。

例えばビジネスレベルの取組で、日本で少し前に話題となったのは、ユニクロが非営利団体グリーンピースと結んだパートナーシップ。

2020年までに、洋服の染料に含まれる有害化学物質を、グローバルチェーン全体において廃止する、というコミットメントをたてました(4)。

海外の他のブランドも(Nike, Adidas Puma, H&M, M&S, C&A, Li-Ning, Zara, Mango, Esprit, Levi's, Uniqlo, Benetton, Victoria's Secret, G-Star Raw, Valentino, Coop, Canepa, Burberry, Primark)(5)。



実は、日本人の私たち含め、世界の洋服の大半を加工する中国では化学染料の有害物質によって川が汚染され、人体や生態系に大きな影響が出ています。

こうしたことを考えて洋服を購入する人は今ほとんどいませんが、このこと自体が問題でもあります。

ですから、一般の私たちの日常レベルでは...

例えば、オーガニック食品や、フェアトレードなどのエシカル製品は、「生物多様性の主流化」のいい例。

毎日自分が使うもので、環境問題・社会問題を少なくとも悪化させないようにする手段。

ただしここの課題は、環境コストを内在化していくと、必然的に物の値段が上がる傾向がある、ということ。

今の大量消費のスタイルから、本当に必要あるいは好きなものへと消費を抑えていくことも同時に考えていくこと。

この傾向はすでに始まっているような気がします。




1.The Guardian, "The triple crunch won't be pretty. But will it banish our economic torpor?” (31 May 2011), http://www.theguardian.com/commentisfree/2011/may/31/triple-crunch-economic-torpor

2. UNEP website: http://www.unep.org/greeneconomy/

3. Dec. X/2, Strategic Plan for Biodiversity 2011-2020, CBD, https://www.cbd.int/decision/cop/?id=12268

4. 日本経済新聞「ファストリ、危険化学物質の排出ゼロに グリーンピースと合意」(2013/1/9), http://www.nikkei.com/article/DGXNASGF0900A_Z00C13A1000000/

5. Greenpeace International website: http://www.greenpeace.org/international/en/campaigns/toxics/water/detox/

6. GEF, UNEP, CBD (2007) "Mainstreaming Biodiversity into Sectoral and
Cross-Sectoral Strategies, Plans and Programmes: Module B-3", https://www.cbd.int/doc/training/nbsap/b3-train-mainstream-en.pdf


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