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Some animals are more equal than others?

Some animals are more equal than others?

いくつかの動物は、他の動物よりも平等である、という、ジョージオーウェルの言葉。

これ自体はファシズムに対する表現であったのですが、人間とは、他の動物より価値があるのかどうか、ということが、今話題になっています。



先週、オハイオ州のシンシナティ動物園で、ゴリラが射殺されたという事件が報道されました。


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写真:The Guardian 紙



理由は、ゴリラのいる柵の中に、3歳の子どもが入り込んでしまい、ゴリラがその子を抱えてちょっと見には引きずっているような動作をしたためです。

日本のメディアでも報道されていて、「動物園側は、麻酔薬は即効性はなく、子供の生命を守るためには、これ以外に方法はなかったと釈明している」とあります。

これについて、類人猿の保護に長年携わってきた自然保護家は、射殺の前に試してみる価値のあった行為はいくつかある、としています。

例えば、この Harambe と言う名の17歳のゴリラが信頼する人間に、彼を落ち着かせるように試みる、などのことです。

ゴリラというのはとても知能の高い動物ですから、反応する可能性があるということです。

この問題は、単に「ゴリラがかわいそう」という反応だけではなく、一部の世論はその子の保護者への責任や、動物園側の安全対策の責任について追求しています。

ここでは、様々な点が考慮される必要があると思いますが、思いつく項目をあげてみますと...

1. ゴリラは絶滅危惧種であり(Western & Eastern gorillas)、例え動物園にいるゴリラでも希少

2.この Harambe は人工的環境で生まれ人の手で育てられており、人間がなだめるという可能性は十分にあった(?)

3. そもそも人間の命が危険にさらされた可能性があるということで、動物を射殺してよいのか、という議論がある

4.そもそも動物園にゴリラのような知能が高く社会性の高い動物を入れておくのは動物福祉にもとるという議論がある

などです。

特に3.については、様々な意見があり、こうした見方をする側を批判する記事もあります。

つまり、人間である以上、ヒューマニストであるべきであり、人間を優先させるのが当然である、という考え方。

例えば、「I can't believe I have to say it: a human life is worth more than a gorilla's(これをわざわざ言わなくてはならないことが信じられないが、人間の命はゴリラのそれより価値がある」という記事では、あるアンケート調査について触れています。

人間の、外国人観光客と、自分の愛するペットと、どちらか一つの命しか救えないとしたら、どちらを救うか?

調査対象となった人の実に40%が、ペットの方を選んでいますが、これに反論する内容の記事です。

つまり上記の、人間はヒューマニストでなければならない、という考え方です。



非常に難しい倫理的な問題が、人間の商業利用する動物に関して存在しています。

私個人としては、そうした倫理的な問題への答えを出すのはとても難しいだろうと思うこともあり、いっそのこと、できるだけ商業利用を少なくすることで、人間側の悩みや罪悪感も減るのではないか、そんな気がします。

いずれにせよ、動物園という場所は、一般の人が思うほど、楽しい場所でもない、ということを知っているので、私自身はほとんど足を踏み入れたことがありません。

そこに行くと、こうした倫理的な問題をどうしても考えてしまうからです。

Harambe の安らかな眠りを祈り、この記事は終わりにしたいと思います。



http://www.theguardian.com/us-news/2016/may/30/gorilla-shot-cincinnati-zoo-child

http://www.theguardian.com/commentisfree/2016/may/31/gorillas-shooting-harambe-cincinnati-zoo?CMP=share_btn_fb

http://wwf.panda.org/what_we_do/endangered_species/great_apes/gorillas/

http://www.gorillas-world.com/gorillas-in-captivity/


http://business.newsln.jp/news/201605300514260000.html

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